[Smaart徹底解説-2]Smaartの種類は何が違うの?
Smaartは新しいバージョンから欲しい機能をそれぞれ買うというスタイルに変わりました。
この記事ではそれぞれのSmaartの種類を詳しく解説していきます。
=目次=
- Smaartのバージョン・種類とは?
- Smaart v9のそれぞれの特徴とできること
- Smaart v9 LE
- Smaart v9 RT
- Smaart v9 SPL
- Smaart v9 Suite
- まとめ
Smaartのバージョン・種類とは?
Smaartも日々アップデートされて新しい製品が世に送り出されています。現在の一番新しいものがSmaart v9になります。
以前までのSmaart v7やv8までは2chまでの測定か2ch以上の測定をするかのおおまかに2種類しかありませんでしたが、Smaart v9から4種類に分かれ、さらにサブスクリプション版(以下サブスク)のサービスも始まりました。それぞれわかりやすく表にまとめたので下記表をご覧ください。
Smaart v9から枝分かれが多くなり、なかなか理解するのが大変になりました。
順番に上から見ていくことにしましょう。初めにSmaartが欲しいと思ったら買い切りか年間払いのサブスクのどちらかを選択します。
こちらを選択した場合は初め4つの選択肢の中から選ぶことになると思います。
- LE
- LE→RTにアップグレード
- (LE→)RT→Suiteにアップグレード
- RT
- Suiteにアップグレード
- SPL
- Suite
それぞれのグレードより上のグレードの機能が必要になった場合アップグレードする事も可能です。
Smaart v7 / v8を持っている場合はそれぞれのアップグレード版で使用することもできます。→soundhouseで自分のアップグレード版を見つけてください。
こちらを選択した場合は3つのどれかを選択することになります。
- LE
- RT
- Suite
サブスク版は買い切り版にあったアップグレードするということができないので注意です。また、Rational Acousticの公式のみになります。
ここまで種類とバージョンについてお話ししてきました。続いてそれぞれの種類の特徴とできることを詳しく紹介していきます。
Smaart v9のそれぞれの特徴とできること
前章の表で紹介した通り、Smaart v9は全部で4種類あります。そしてそれぞれの機能は下記にようにまとめることができます。
これだけだと分かりにくいのでひとつずつ解説していきます。Smaartの測定でできることを知っておくとより理解度が深くなるのでその1を読んでない方は読むことをオススメします!
Smaart LE(Light Edition)
→RTA & Transfer Function(以下、TF)の測定と1つのSPL表示ができます。IR測定と複数のSPL表示はできません。
- Soundhouse ¥77,000
- Rational Acoustics(買い切り) $499UDS(≒¥78,742)
- Rational Acoustics(サブスク) $159UDS(≒¥25,090)
価格は2024年6月14日時点のものです。$1USD=¥157.80
買い切りは1ライセンスごとの価格です。(後述)
名前の通りLight Editionなので、できることに少し制限があります。具体的には下記の通りです。
- RTA測定
- 使用できるパラメーターが限られる
- アベレージングタイムがNone、Fast、Slow、Infのみ
- A、C、Xとそのinvのたたみつけができない
- THD表示ができない
- TF測定
- 使用できるパラメーターが限られる
- A、C、Xとそのinvのたたみつけができない
- IR表示、squared coherence表示ができない
- FTWが使えない
- Timer Macroが使えない
- Smaat System
- 測定結果などのデータImport/Exportができない
- Smaart Remoteができない(Smaartの名称では、client window)
オススメできる人
まずSmaartにふれてみたい人
複雑な設定なしにパッと使ってみたい人
できるだけ安価にSmaartを導入したい人
Smaart RE(Real-time Edition)
→LEと測定できるものは同様ですが、LEの機能制限は無くなったものになります。ただし、LEと同様にIR測定と複数のSPL表示はできません。
RTAやTransfer Functionをメインに使用する場合はREで問題ないと思います。Smaart v7/v8でIR測定を使用しなかった人などはREがあれば困ることはないでしょう。
- Soundhouse ¥138,600
- Rational Acoustics(買い切り) $899UDS(≒¥141,862)
- Rational Acoustics(サブスク) $279UDS(≒¥44,026)
価格は2024年6月14日時点のものです。$1USD=¥157.80
買い切りは、2ライセンスの値段になります。(後述)
オススメできる人
RTAやTFを制限なく使用したい人
FOHエンジニアやSystemエンジニアの2nd PCに
FOHエンジニア : FOHは、Front Of Houseの略称で客席に設置されたオペレートブースのこと。ここでオペレートをしている人がお客さんが聞いている音をコントロールしている。
Systemエンジニア : 会場ごとに最適なスピーカー位置を図面段階から打ち合わせしたり、PCでシュミレーションした通りに現場で施工したり、会場が均一に聞こえるように調整をする。
Smaart SPL
→複数の音圧メーターの表示や、ログ機能、音圧を超えた際のアラート機能など音圧測定に特化したモデルです。測定したデータの自動pdfレポート作成もできます。ただし、RTAやTransfer Function機能は使えないので、会場設備向けかなと思います。
- Soundhouse ¥53,900
- Rational Acoustics(買い切り) $349UDS(≒¥55,072)
価格は2024年6月14日時点のものです。$1USD=¥157.80
買い切りは1ライセンスごとの価格です。(後述)
オススメできる人
ライブハウスやオフィスなどで音圧制限がある所
Smaart Suite
→Smaartのフラグシップモデルです。IR測定を必要としている人は選択肢はこれになるでしょう。今までに紹介した機能はすべて制限なく使用できます。音響測定をするうえでこれを持っていたらまず困ることはないです。唯一のデメリットは、高価ということでしょうか。
- Soundhouse ¥198,000
- Rational Acoustics(買い切り) $1299UDS(≒¥204,982)
- Rational Acoustics(サブスク) $399UDS(≒¥62,962)
価格は2024年6月14日時点のものです。$1USD=¥157.80
買い切りは、2ライセンスの値段になります。(後述)
オススメできる人
IR測定が必要な人
SystemエンジニアのメインPC
SPL表示とRTA・Transfer Functionも使用したい人
Smaart v8と同じような環境が必要な人
それぞれの価格の部分に記載している「買い切りは1ライセンスもしくは2ライセンス」とありますが、これはRational Acousticsの考え方はデスクトップPCと持ち歩きのノートPCのそれぞれに入れて使うよね。ということで基本2ライセンスにしているようです。実際はそんなに必要いらないと思うので友人と半額ずつ出し合って使うのがいいと思います。筆者もそのようにして使用しています。
製品登録の時にメールアドレスが必要になるので、製品登録用に2人で使えるアドレス(フリーアドレス可)を用意しておくといいかもしれません。
Smaart LE→RTA測定・TF測定の簡易版
Smaart RT→RTA測定・TF測定に特化
Smaart SPL→SPL表示に特化
Smaart Suite→全ての機能が使用可能
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