Smaart

[Smaart徹底解説-1]Smaartで何が出来るの?

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音に関わる仕事をしたことある人や音に関わる仕事を目指す人はもしかしたら聞いたことあるかと思います。

この記事ではSmaart(スマート)を導入しようと思っている人やSmaartって聞いたことあるけど、なんだかよく分からない人向けに解説していきます。

また今後、それぞの項目に関してより詳しい解説もしていきます。

=目次=

1

そもそもSmaart(スマート)ってなに?

Smaart(スマート)はRational Acousticsというアメリカの会社が作成している有償のソフトウェアで、音響解析、音響測定をすることができます。また、Smaartの由来は、System Measurement Acoustic Analysis Real time Toolの頭文字を取ってSmaartと呼ばれていますなので英語のsmartとは別の言葉になります。

ライブなどで音響さん(以下PAさん)はこのようなソフトウェアを使用して色々な細かい音響調整をしています。もしライブに行ったことあるような方は、下記のような波形を開いている画面を見たことあるのではないでしょうか?見たことない方はぜひ今度ライブに行ったらぜひPAさんのいるところが覗けたらさりげなく覗いてみてください。きっとこんな画面があると思います。

PA : Public Adressつまり公衆伝達の意味で、主にライブでは音響スタッフのことをいう

いつかPAがSmaartを見て何を調整しているのか解説する記事も書いてみようと思います。

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Smaartでできること

Smaartは前述の通り音響解析、音響測定ができます。測定、解析とは一口に言っても色々と種類があります。Smaartでの解析、測定は大まかに下記図のように分かれます。

まず、1つのソース(Single Channel)での測定か、それとも2つのソース(Dual Channel)での測定かに分かれます。

1つのソース(Single Channel)での測定の場合、選択したあるソースの今出ている音をグラフ上に表します。

2つのソース(Dual Channel)での測定の場合は、どちらかのソースを基準として、もう一方のソースを測定対象とします。そして、測定対象が基準とどのくらいの差があるかをグラフ上に表します。

つまり、今出ている音に注目して測定するのか、それとも基準の音との差に注目して測定するかによってそれぞれ使う機能が違うということになります。これだけだと分かりにくいと思うので、それぞれ詳しく見ていこうと思います。

1つのソースでの測定では、RTAとSpectrograph(スペクトログラフ)という2種類のグラフの表現方法があります。

RTA(Real Time Analyzer)

→今出ている音を線グラフもしくは棒グラフで表します

メリット・・・今出ている音の全体像を簡単に把握できる

それぞれ表示方法は使い勝手によって選べますが、筆者は複数RTAを表示してもそれぞれが重ならないように基本線グラフを使用しています。

RTA・線グラフで表現↓

RTA・棒グラフで表現↓

Spectrograph(スペクトログラフ)

音の強弱を色で表示する。赤は音が大きく青になるにつれて小さくなることを表しています。

メリット・・・音のピークがある一定期間さかのぼって確認することができる

続いて、2つのソースでの測定です。それぞれ、Transfer Function(トランスファー ファンクション)とImpulseResponse(インパルス レスポンス)の2種類があります。Impulse ResponseはIR(アイアール)、IR測定、IR応答という人もいます。

Transfer Function(トランスファー ファンクション)

→任意の基準の音と今出ている音との差を表します。

メリット・・・今出ている音が基準の音とどの位差があるがリアルタイムに分かる

冒頭にの出てきたのと同じ画面です。簡単にこの画面についてですが、注目して欲しいのは一番下のグラフです。赤い線と紫の線があり、赤い線をCoherence(コヒーレンス)と呼び基準の音とどれだけの差があって信用できるかを示しています。赤色の線はグラフの上方にいけばいくほど基準の音と同じということになり、下にいけばいくほど基準の音とはかけ離れている。ということを示しています。その信用度の数字は上の方に紫文字と赤文字で4.59kHz56%とありますが、これがそのデータの信用度を示しています。つまり、4.59kHzに関しては56%基準の音と一致してますよ。という意味になります。

なのでPAの世界では、PAブースにマイクを置いて、お客さんの聞く音(スピーカーから出る音)と機械(ミキサー)から出る音の差を見るのに使用することが多いです。

Impulse Response(インパルス レスポンス)

→基本的には、スイープ音源を用いて周波数の特性や、残響特性を測定する。

メリット・・・正確な残響特性は周波数特性を得ることができる。

正式な測定画面ではないので今後差し替えます。

先ほどのTransferと機能は似ていますが、基本的にIR測定の場合はスイープ音源というものを使用して測定をします。そのため、PAの調整時間に使用することは可能ですが、ライブの本番やリハーサル中に使用することは難しいでしょう。なので、ライブ音響よりスピーカーメーカーや建築音響で使用していることが多いです。

SPL表示

→音の大きさを数字で表現できる

メリット・・・音量規制なので役に立つ

ライブの世界ではフェスなのでよく目にする機能かと思います。

まとめ

・Smaartとは音響測定、音響解析の有償のソフトウェア

・1つのソースでの測定→RTAとSpectrographの2種類の表示方法がある

・1つのソースでの測定→音の大きさを数字で表現するSPLという機能

・2つのソースでの測定→Transfer FunctionとIR測定の2種類の測定方法がある

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